枕の選び方を快眠のプロ解説|肩こり・ストレートネックなど症状別で紹介

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「寝ても疲れが取れた気がしない」「朝起きたときに肩こりが気になる」など、睡眠に関する悩みを持つ方は少なくありません。

睡眠の質が低いと感じる場合は、使用している枕に原因があることが考えられます。しかし、ひと口に枕といっても、さまざまな種類があるため、どれが自分に合っているのか分からない方もいるでしょう。

この記事では、枕の基礎的な選び方から正しい枕の使い方、肩こりやストレートネックなどの悩み別に使用すべき枕のポイントを解説します。

一見、同じような枕でも、一人ひとりの体型や好みの寝姿勢によって選ぶべき枕は異なります。自分の身体に合った枕を見つければ、ぐっすりと眠れるため、疲れを解消することが可能です。正しい枕の選び方を身につけ、睡眠の質を高めましょう。

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目次

竹田 浩一 睡眠改善インストラクター

快眠グッズメーカー ムーンムーン株式会社 代表取締役。8歳の時に光で起こす目覚まし時計を使用したことで、8歳から悩んでいた睡眠障害を克服。睡眠障害を患っていた時は、朝5時に寝て昼12時に起きる夜型生活だったが、睡眠障害克服後は朝5時に起き夜10時に寝る生活を続ける。現在は、睡眠改善インストラクターの資格を活かし、大学や企業などで睡眠講座を開催。テレビや新聞、雑誌などにも睡眠の専門家として多数出演。

枕の選び方8選| 後悔しない選び方をプロが解説

まずは、自分に合った枕の選び方を8つ紹介します。

枕の素材やサイズ・硬さのほか、寝る向きや好みの寝心地などは、枕選びの際に押さえておきたいポイントです。以下では、各項目について詳しく解説します。

寝る向きを確認する

枕を選ぶ際は、自分の寝る向きを確認しましょう。眠る向きによって、使用すべき枕は異なります。

理想的な寝姿勢で眠るためには、背骨が自然なS字型を描くことが必須です。背骨が自然なS字型となる姿勢で眠れば、体重を適切に分散し、首や腰にかかる負担を抑えられます。

例えば、自分が仰向けで寝ているときは、首のS字型を保てる枕の高さが必要です。枕が高過ぎると首が前に曲がり、いびきやストレートネックの原因にもなります。逆に、枕が低すぎると首が後ろに曲がり、頭痛やむくみの原因になります。

横向きで寝ている場合は、首と背骨が一直線になるように枕の高さを合わせるようにしてください。枕が低すぎると首と頭の間に空間ができ、頭が下がってしまいます。一方で、枕が高すぎると首・肩がこったり、寝違えたりする可能性が高くなります。

うつぶせ寝は、首と背骨のバランスを保つことが難しい姿勢です。うつぶせ寝が好みの方は低い枕を使用する、もしくは枕を使用しない方が首への負担を抑えられるでしょう。

多くの寝具メーカーでは、各寝姿勢に特化した枕が販売されています。特に、首や肩に痛みが生じる方は、寝る向きに合わせて枕を選ぶことがおすすめです。

素材を確認する

枕を選ぶ場合は、使われている素材を確認することも重要です。枕に使用される素材によって、メリット・デメリットは次のように異なります。

スクロールできます
素材メリットデメリット
パイプ・通気性がよい
・ホコリが出ない
・耐久性が高い
・高さを調整しやすい
・硬め
・首や頭にフィットしにくい
ポリエステルわた・軽くて柔らかい
・洗濯機で丸洗いできる
・ホコリが出にくい
・長時間使用すると、型崩れしやすい
・吸湿性・放湿性に劣る
・ダニが繁殖しやすい
そばがら・自然素材で臭みがない
・通気性が良い
・首や頭の形に合わせやすい
・手ごろな価格帯
・重い
・吸湿性が高いため、カビや虫が発生しやすい
・そばアレルギーの方は使用できない
羽毛羽根・高い保温性
・やわらかい
・通気性がよい
・軽い
・耐久性がある
・動物アレルギーの方は使用しにくい
・価格がやや高い
・羽毛独特の臭いがある
・羽毛が枕から出やすい
極小ビーズ・頭の形に合わせやすい
・肌触りがよい
・耐久性がある
・寝返りが打ちにくい
・通気性があまりよくない
・ビーズが漏れやすい
ウレタン・適切な寝姿勢を保ちやすい
・耐久性が高い
・通気性が悪い
・洗濯できない可能性がある

「〇〇の素材が人気だから」「家族が〇〇の素材を使った枕を使用している」などの理由で、自分が使う枕の素材を決めることは避けましょう。各素材の持つメリット・デメリットを踏まえて、最適な枕を選ぶことが大切です。

寝た時の枕の高さを確認する

寝たときの枕の高さを確認することも、枕選びの重要なポイントです。理想的な枕の高さは、約10〜15cmと言われています。例えば、仰向けで寝る場合は、 首と背中の自然なカーブを保ち、首の気道が開いている状態が理想的な枕の高さです。

横向きで寝る場合は、首と背骨が水平になる枕の高さが理想です。最適な枕の高さは、約15〜20cmと言われています。基本的には、耳から肩までの幅を補える高さを持つ枕を選ぶとよいでしょう。

うつぶせ寝は、首と背骨の自然なカーブを保つことが難しいため、首や背骨の負担が大きいという特徴があります。うつぶせ寝をする方は、約7〜12cmの低い枕を使用する、もしくは枕を使わない方が、首への負担を抑えられます。

最適な枕の高さを確かめたい場合は、ニトリやホームセンターなどの寝具を取り扱う店舗へ足を運ぶことがおすすめです。

高さ調節機能の有無を確認する

高さ調節機能がある枕は、自分の寝姿勢や体型に合わせられるため使いやすい枕の一つです。異なる素材の層を重ねることで高さを調節できるものや、枕の中素材を出し入れして好みの高さに調整できるものなど、さまざまな種類があります。

寝姿勢は、年を重ねるごとに変わってきます。高さ調節機能があれば、その都度高さを変えられるため、枕を長期間にわたって使用することが可能です。

高さ調節機能を備えた枕は、納得のできる高さの枕を使用したい方におすすめです。高さを調節する手間はありますが、フィット感を高めやすいというメリットを得られます。

一方で、高さ調整にめんどくささを感じる方は、高さ調節枕を使用することが適していないかもしれません。自分に適し高さの枕を手軽に購入したい方は、店舗で高さを測定した上で作られるオーダー枕を選ぶことを推奨します。

性別や体格に合わせて選ぶ

枕を選ぶ際には、性別や体格に合ったものを選びましょう。男性と女性では身体の大きさが異なるため、首のカーブの深さに違いが見られます。

例えば、男性は一般的な枕より約2〜約5cm高め、女性は約1〜3㎝低めの枕が好まれる傾向です。

一般的には、男性のほうが女性より肩幅が広くなっています。そのため、男性が横向きで寝る場合、女性よりも高い枕が必要になります。体重が重い方であれば首や頭を支える目的で、高さはもちろん、硬めの枕を選ぶことが欠かせません。

枕本体のサイズも、体格や性別で異なります。枕のサイズは、寝返りが打ちやすいように、約60cm以上がおすすめです。頭3つ分を目安にするとよいでしょう。横に大きい枕を選べば、自分一人で使用できるほか、夫婦や家族で添い寝する際にも役立ちます。

形状で選ぶ

枕を選ぶときには、形状も必ずチェックしましょう。枕の形状によって、首や頭のサポート力や寝心地は異なります。自分の身体に合っていなければ、睡眠の質を下げてしまいかねません。

枕でスタンダードな形は、長方形と言われています。長方形の枕は、使われる素材や硬さがさまざまであり、自分に合うものを選びやすい傾向です。しかし、特定の悩みを補助する点に特化した形状ではないため、抱える悩みによってはサポート力が足りないと感じる可能性があります。

形状記憶枕は首や頭に沿って変形する、首や肩の痛みを軽減させたい方におすすめです。一方で、形状記憶枕は身体に密着しやすく、使用者によっては暑く感じることがデメリットです。

ほかにも、いびきを防ぐ機能を持つウェッジ枕や、首や肩まわりをフォローする点に長けているU字型の枕など、さまざまな形状の枕が販売されています。使用感の好みは個人差が出るため、これまで使用したことがない形状の枕を使いたい場合は、実際に寝心地を試すほうがよいでしょう。

寝心地を確認する

枕を選ぶときは、寝心地を確認することも重要です。良い寝心地の枕は深い眠りを促し、日中のパフォーマンスを向上させます。厚生労働省の「快眠のためのテクニック」によれば、「頭部をきちんと支えてくれるだけの弾性があって、発汗に備え吸湿性・放湿性のよい素材を選ぶことが大事です」と記載されています。

例えば、仰向けで寝る際に快眠できる枕の条件は、マットレスと首のカーブのすき間が約1cm〜6cmの高さになることです。角度で言えば、敷布団やマットレスの表面を0度と見たときに首の角度が約5〜15度になることが理想的と言われています。

首のカーブに合わない枕を使用すると、肩や首、胸を中心に不必要な圧力が加わり、呼吸しにくくなります。寝心地のよさが睡眠の質を左右すると言っても過言ではないため、枕を購入する際は寝心地をチェックしましょう。

返金保証制度の有無を確認する

高価な枕を選ぶ際には、返金保証制度の有無を確認しておきましょう。特に、オンラインで枕を購入する場合、手元に届くまでどのような枕か分かりません。

例えば、メーカーによっては返金保証制度があります。返金保証制度があるため、「寝心地が合わなかった」といった後悔を防ぐことが可能です。店舗で寝心地を確かめられない場合でも、安心して購入できます。

特に、高価な枕を購入する際は大きな買い物になるため、返金保証制度の有無をチェックしておくことが大切です。

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高齢者の枕の選び方

歳を重ねると睡眠が浅くなり、夜中や早朝に目が覚めてしまう方が増加します。関節痛や身体の変化など、健康問題を抱えることが増えるため、高齢者は若者とは異なった枕の選び方をする必要があります。

例えば、背骨が曲がってきている高齢者は、通常よりも高さのある枕を選ぶことが大切です。背骨が曲がる分、高さのある枕を選ばなければ、頭部をうまく支えられません。

筋力の衰えを感じている場合は、頭部が安定し寝返りが打ちやすい、硬めの枕を選ぶことも大切です。硬めの枕は反発力が高く、使用すると寝返りしやすくなります。

また、歳を重ねると体温調節が難しくなってきます。寝汗をかきやすい高齢者の場合は、吸湿性や放湿性が高い枕を選ぶことで頭部の蒸れを防げ、睡眠の質を高められるでしょう。

ためしてガッテンで紹介された枕の選び方

「ためしてガッテン」で紹介されたのは、バスタオルやタオルケット・玄関マットなどを使用して自作で枕を作る方法です。

座布団やタオルケットを普段寝ているマットレスの上に置いて、タオルケットを1枚ずつ外して圧迫感を感じない高さを探します。家族や鏡で顔の中心と床が並行になっているか確認し、ラクに寝返りが打てる高さ理想的な自作枕の高さです。

枕の高さを測って自分用の枕を作ってくれる病院や店舗もありますが、足を運ぶ時間が取れない方は、「ためしてガッテン」で紹介された方法がおすすめです。

ただし、自作枕は販売している枕より耐久性が低くなります。形が崩れやすいため、高さが合っているのかを定期的にメンテナンスする必要が出てくる点はデメリットになります。

肩こり・首こりが気になる方が意識すべきポイント

肩こり・首こりが気になる方は、適切な高さの枕を選べていないことが考えられます。自分に合う高さの枕を使わなければ、背骨と首の間に不自然な角度ができ、こりの原因に繋がります。

肩こりや首こりが気になる方が枕を選ぶ際は、首筋が不自然に曲がらないフィット感の高い枕を選ぶことが大切です。フィット感の高い枕を選べば、肩や首にかかる負担を分散させやすくなります。頭部の重みが肩や首にかかりにくくなるため、筋肉をリラックスさせることが可能です。

また、寝返りが打ちやすい枕を選ぶことも、肩こりや首こりの解消に役立ちます。適度に寝返りできれば特定部位に体重がかかりにくく、こりの原因を防げます。

肩こり・首こりが気になる方は、適度な硬さが特徴のそばがらやウレタンを使用した枕がおすすめです。肩こり・首こりが気になる方は、「寝姿勢に適しているのか」「寝返りしやすいのか」という2点を重視し枕を選んでください。

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頭痛が気になる方が意識すべきポイント

枕の高さが合わないと肩や首周辺の筋肉にストレスがかかりやすく、肩こりや首こりが原因で、頭痛を引き起こす場合があります。

硬すぎる枕を使うことも頭痛の原因の一つです。首や肩を圧迫しやすく、頭部への血行を悪くする恐れがあります。反対に、柔らかすぎる枕を使う際も、頭痛の原因に繋がります。寝返りが打ちにくくなり、血行を促進できなくなるためです。

睡眠後に起こる頭痛を解消したい方は、ウレタン枕を使用することがおすすめです。ウレタン枕は、体圧分散性に優れており、肩こりや首こりを解消できため、頭痛の原因を未然に防げます。頭を程よくサポートする使用感であり、首や肩を圧迫することもありません。適度な反発力を持っていることから、寝返りを促す効果も有しています。

いびきが気になる方が意識すべきポイント

いびきは、枕の高さが合わず、頭と首の位置が適切でない場合に起こりやすくなります。枕が高すぎれば喉を圧迫して呼吸が乱れる、枕が低すぎれば口が開き口呼吸になるため、いびきをかきやすくなります。

首と脊髄の位置が水平になるような高さの枕を選べば気道が開くため、いびきの原因を解消することが可能です。

いびきの予防には、ウェッジ型と呼ばれる、枕や首をサポートする角度付きの枕がおすすめです。ウェッジ型枕を使うと、頭が適切な角度に保たれ、腰が浮きにくくなります。

いびきをかいてしまう主な原因は枕の高さが関係していますが、気づいていない病気を患っている恐れがあります。枕を変えてもいびきを改善できないときは、専門医に相談することが大切です。

ストレートネックが気になる方が意識すべきポイント

ストレートネックとは、本来あるべき首の湾曲が失われる状態のことです。ストレートネックは、前傾姿勢が続くことで引き起こされます。特に、長時間デスクワークをする方やスマートフォンを使用する機会が多い方は、ストレートネックになりやすい傾向です。

ストレートネックは、睡眠時の頭と首の位置が不適切な場合にも起こります。ストレートネックが気になる方は、首の自然なカーブをサポートする枕を使うことがおすすめです。素材で枕を選ぶ場合は、硬めのウレタンや極小ビーズを使用した枕がよいでしょう。

高さを重視して枕を選ぶ際は、高さ調節機能を備えた枕を選ぶことも選択肢の一つです。高さ調節機能を備えた枕は、首の形状に合わせて高さを調節でき、頭痛や肩こりなど、ほかの症状を併発することを防げます。

熟睡できない方が意識すべきポイント

熟睡できないと睡眠の質を大きく低下させ、日常生活に悪影響を及ぼします。眠りが浅くなってしまう理由はさまざまですが、枕が合っていないことが原因の一つです。

熟睡するためには、適切な高さの枕を選ぶことが大切です。例えば、枕が高すぎると気道が圧迫されて息苦しさを、枕が低すぎると首や肩へ痛みを感じるなど、睡眠を妨げてしまいます。

暑さで熟睡できない方は、通気性や放熱性に優れている枕を選ぶことがおすすめです。通気性や放熱性に優れた枕は、頭部に熱がこもりにくく、蒸れによる不快感を抑えられます。

身体に負荷がかかることで熟睡できない方は、頭部の形状にフィットしやすい羽毛や低反発ウレタンを使用した枕を選ぶとよいでしょう。暑さで熟睡できない方は、通気性の高いそばがらを使った枕で眠ることが適しています。

最適な枕を見つけて睡眠の質を向上させよう

良質な睡眠のためには、最適な枕選びが重要です。枕を選ぶ際は、枕の素材や形状・硬さだけでなく、自分の体格や寝姿勢・好みの寝心地などを考慮する必要があります。

睡眠の質を上げるためには、適度に寝返りをしつつ、正しい寝姿勢のまま朝を迎えることが理想的です。頭と首をしっかりと支え、寝返りが打ちやすい枕を選ぶようにしましょう。

肩こりやいびきなど、睡眠にまつわる悩みを持つ方が多くいます。悩みの種類によって適した枕は違うため、なかでも人気のある低反発枕や高反発枕のおすすめ人気ランキングもぜひ参考にしてください。

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